2011/06/05

苔欧州

先日生体の発注内容を考えていると、アクアリウムでは苔が流行って
いるようで、○○ゴケやら○○モスなる名前がストックリストに多く
掲載されておりました、そのうち半分以上はユーロ圏から届くもの
ですがそれなりに良いお値段がするわけです。私どものような温暖
湿潤気候に恵まれた環境に住みながら、わざわざ欧州から苔を買う
なんてアホくさいと思いましたので、苔の発注をキャンセルして
ミントで山中まで苔採集に行ってまいりました。

自宅から10分も走ればひと気のない山中に入ります、舗装が途切れる
ところが私のいつもの場所ですが、そういうところはやっぱり気味が悪い
ので、余計な物を発見してしまう前に早々と採取しようとバイクを降りると
突然草ヤブから老人が出てきてマジでビビリました。挨拶ぐらいは
しようと思いましたが、挙動不審な気配だったので申し訳ないけどスルー
させていただき、苔の森へと入っていきました。
そこには小さな滝があり、そのしぶきがかかるところに無数の苔々が
生え揃っております、まずは苔の神様に今日の採集のお許しをいただく
ために合掌。今回は水中育成が目的なのでなるべく水に浸かっている
種類を選んで最小限の量を試験採集してきました。

苔の種類なんぞ今のご時世インターネットで調べりゃいくらでも判別
できますが、わざわざ楽しみを無くす必要もなく、何よりも実際に苔の
ある風景を直接見ることがかけがえのない財産になるのでございます。
持ち帰ってさっそくリシアストーンに巻きつけて現在試験中です。

なお、「苔」と書いてきましたがガラスなどに付着する「コケ」とは違います、
そういうのは本来は「藻類」であり「藻(も)」と呼ぶのが正解かと思います、
店頭での私の説明ではウィローモスなどを「こけ」、ガラス等に付着する
のを「も」と言い分けているのにお気づきでしょうか?絶句するほどの
景観を作る苔に対し、藻までもコケと呼ぶにはあまりにも失礼でございます。