2012/12/01

初雪ですね

お休みをいただきありがとうございました、無事にばぁちゃんの三回忌を終えることができました。2年前も今日みたいな小雪がちらつく寒い日で、あの日は消防の忘年会で乾杯から30分ほど経った頃に電話が鳴って「おばぁちゃんが大変なの!」という妻の悲鳴のような叫びで居酒屋を飛び出しました。映画やドラマではどしゃ降りの雨の中で主人公が傘もささずに全力疾走をしているシーンがありますが、そんな事は過剰表現で一生に一度もあるわけがないと思っていました。居酒屋から自宅まで約1kmの道をずぶ濡れになって吐きそうになりながら全力で走り、あと少しで自宅という所でばぁちゃんを乗せた救急車とすれ違いしました「がんばれ、ばぁちゃん!」とあの時は叫んだと思いますが、残念ながらその声は届かなかったようです。あの時俺が家にいれば…というのが唯一の心残りです。

火葬場で肩を震わせながら号泣した私でも、2年も経てば何不自由なく日々を暮らしています。残された人の悲しみが薄れるまでの長さは人それぞれです、これは私の勝手な解釈ですが悲しみを乗り越えるまでの時間の長さと、故人が浄土へたどり着くまでの長さは同じなんだと思います。失った悲しみで苦しんでいる時は故人も辛いはずです、その悲しみを乗り越えた時にやっと故人も浄土へたどり着く事ができるのだと思います。だからばぁちゃんも今は浄土にいるはずです。

人間五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり 一度生を得て滅せぬ者のあるべきか