2017/05/19

オムライスは半熟が好き

閉館から5日経った水族館。たった5日ですがもう雰囲気は全然違います、通路には太い排水ホースが横たわり、発泡スチロールの箱が山積みになっています。空になっている水槽もたくさんありました。

そして私の水槽も空にしなくてはいけません。無音の館内、廃墟化してしまったような売店の横で一人作業です。

今回の解体はさほど面倒な作業ではありません、排水はホースでできるし、魚も少ない、水草は巻貝が付いているので、もったいないけど選別せず全て処分。問題はあの「石」だけある。

たぶん35kgぐらいだろうと思うが、水槽の石ってのはただ持ち上げればいいってもんじゃなく、壁面を避けて放物線を描くように取り出さなければならない。それも脚立に乗り、腕の力だけで。

今から5年前、コイツを入れた時の事は忘れない。この時も一人作業、来館者のいる中で奇声を上げながらギリギリ投入した。でもこの時は水族館の水槽を任されるという境遇に興奮していたので、通常以上のパワーが出ていたように思える。しかし、今回は決して舞い上がるような状況ではない。

まずは小さい石から順に取り出すものの、意外と脇役のくせにデカイ石が入っていた。当時のオレは相当に張り切っていたようだ。予想以上に体力を消費してしまったが、残るはボスのみ。とりあえず両手でちょっとだけ持ち上げてみる…

 …ダメかも?

一瞬誰か呼ぼうかとも思った。だけどその時の職員さんは総出で外の錦鯉の搬出作業をやっているので無理っぽい。

2秒だけ考えた、そして結論はこうだ。このブログを読んでいるヤツは全員オレの腰が砕けるのを望んでいるはずだ…と。

いよぉ~し、やるしかねぇ!まずは石の両端をグワシと掴み、ヒジを水槽の縁に乗せて、テコの原理と上腕二頭筋で30センチほど浮かす。そこで両腕をその角度でキープし、曲げた上半身をクレーンの如く背筋で持ち上げる。もうちょいで水槽よりも上に持ち上がる、だけどここからがキツイ、しかも引き返す事ができない状況。くそぉ、こんなとき一時的にパワーアップできるような技があれば…ドラゴンボールの界王拳のような技が…ヴウゥ、ウグガァァァァ…

 「たいめいけん!」

そこで昨日のタンポポとつなげるか!?奥深すぎるぜセブンスブログ!

5年前の自分との戦いだったが、今回はドロー…いや、かろうじて勝てたかな?なぜなら、入れた時は胸で抱えるように持ち上げたからシャツが汚れたけど、今回は腕だけで持てたからシャツは無傷。だから熱帯魚は体重2倍のベンチプレスが必要なのでございます。

だけど腰だけは鍛えられない、湿布貼って寝よう。