2011/02/25

仕事の流儀

FUJICA GL690 というカメラを親父から譲り受けた。出品用の
水槽撮影にこれを使おうかと思ってはいるものの、なんせ
30年以上も物置で寝ていたカメラなので、まずはメンテナンスから
と思い、このレベルのカメラをかまえる店を紹介してもらい
行ってみた。
外見では店舗なのかもわからないような店構え、一坪ほどの
店に90歳になるだろうかという白い髭を蓄えた老人が座っている。
自己紹介と経緯を説明した後にさっそくカメラを取り出すも、
見るや否や「これは私には無理ですわ」と言われてしまった。
でも、そのカメラを手にして楽しそうに触る姿は本当にカメラが
好きであることを容易に想像できる。
最後にバイクの話を少し交わした、まさかこの姿の御老人から
「バイクはキックスタートでなきゃいかん」という言葉が出るとは
思わなかった。
少し目の濁った御老人に流れる血液は、内燃機関を巡るシングル
オイルのように熱く巡っているのかもしれない。