2012/09/03

伝説の名機は単純に売れないから廃盤という事を繰り返す行為の犠牲者

現在店内がちらかっております。というのもここ数日間は窓の内枠を作っていて、出来上がれば一年を通して冷暖房に頼っているセブンスのエネルギー消費を少しでも抑える事ができるのではないかという俺なりの必死な抵抗です。

木で作った枠にビニールを貼り付けるのですが、ヨレの無いように貼ったつもりでも端の方が波打って、そこを直すとまた別のところがヨレる…なかなか上手くいきません。それを何度か繰り返すうちに、仮にピンと貼れたとしてもそれもまた手作り感の無い味気ないものになってしまうのではないかと思いました。

午前中100円ショップで買い物をしたついでに手ぬぐいを1枚買いましたが、使おうと思って広げてみると生地の周りがすべて丁寧に縫われておりました。手ぬぐいというものは切りっ放しの綿の布であるべきで、使ううちに端が解れ独特な味わいが出てくるのと共に自分のモノになってゆく粋な道具でございます。そんな手ぬぐいも使い捨て文化のに波に呑まれ、大量生産を繰り返すうちに裏に隠れた趣を失ってしまったという空しさとビニールのヨレを直すのに必死な自分が重なったのであります。

愛用している越後妻有の手ぬぐいは色あせと糸の解れ具合が絶妙で、今や私の仕事の一部として欠かせない存在になっております。道具も人の道も少しばかり緩みのある方が奥の深いものでございます、常人には理解できないへうげもので申し訳御座いません。