2014/10/10

まさに海老すくい

今日の午前中はついにあの「初花」との対面。博物館の会館は9時、朝のメンテ業務が8時過ぎに終わったので久しぶりに上越遍路八.八箇所目のマクドナルドでコーヒーを飲み時間をつぶす。

そしていよいよ会館時刻。目的はただ一つ「初花」にあり、会館と同時に受付で入場料を払うと「初花は階段を昇って3階にございます」と言われた…見透かされていたのだろうか?BGMなんてものは当然無く、シンとした無音の博物館は高田藩と家康の繋がりをテーマに展開する博物展だが私にとってはほとんど興味なし、たしかに教科書で見たような掛け軸の実物があったりしたけれど心ここにあらず、いよいよ3階に向かう階段を昇る。
さすがにちょっと緊張する、戦国時代のマニヤ達をあれだけ騒がせた茶入の実物が見れるのだ。最上階に到着するとその一番奥に神々しく飾られたガラスケースの中央に鎮座する小さな陶器が見えた、その距離でも分かるまごう事なき初花!

おぉ!壮大な宇宙を手の中に納まるほどの大きさに凝縮したような存在感と緊張感、コレにくらべれば周りに置いてあった箱とか杖なんかは前座にすぎん、さすがは大名物である。
…だが、それよりも気になってしまうのは先客の御仁の行動。ガラスケースの周りを時計回りにグルグル回りながら初花を食い入るように見ている、さらにしゃがんだり伸び上がったりしながら延々と初花の周りを回っているその奇行が面白くて、笑いを堪えるのに必死で初花鑑賞どころではない。10分ほど粘ったのだけれど御仁は帰る様子も無く相変わらず回り続け、無音の博物館とその奇行の対比の面白さに耐えられなくなった私は逃げるように博物館を出たのでありました。

確かに名物の放つ魅力というものは存在する、だがそれをさらに磨き上げるのはそれを取り囲むマニヤ達の呆れるほどの情熱、骨董に限らず物欲に関わる事すべてに言えることなんだと初花に教えていただきました。

朝マックのセット200円と博物館入場料800円、合計1,000円の修学旅行。よろしければどうぞ。