2017/06/20

エレキウォーズ(前編)

あれはまだ残雪が残る初春の出来事であった

訪問業者の営業マンが200V電力の電気代を安くする方法があると勧めてきた。何かの計器で数値を計ると本来の契約量よりも少ない電力しか使っていないから大丈夫という説明だったが、契約には長期リース契約が必要であり、私は長期リースは二度と利用しないと決めているのでお帰りいただいた。

数日後、知り合いに電気工事関係の仕事をしている人がいるので、そんな事があったと話すと、とりあえず現状を一度調べてみようという事になった。

200V電力で使っているのはエアコン1台のみ、そのエアコンのカバーを開けていろいろ調べていると業者さんが「コレはヤバイですよ!」と慌てだした。

説明によると、エアコン内に付いているであろう増設装置が付いておらず、それなのに電気契約は装置が付いている条件になっているつまり月々の基本料を余計に多く払っていたという事になる。

こういう電気契約は、契約前に電力会社が派遣した検査員立会いのもとで現場を確認して基本料を決めるのだが、そこで見落としがあったらしい。コッチにしてみりゃそんな事分からないし、言われた通りの電気料金を払うのが普通だと思っていたので、こんな事でも無ければ知る由もない。

まずはこのまま過剰な基本料を払う訳にはいかないので、急いで契約変更手続きをし、セブンスを建てた時にもやったであろう立会い検査をすると、何の問題もなく基本料金は下がった。

再び数日後、知り合いの業者さんと今までどれだけ払い過ぎていたんだろうとザックリ計算してみた。月単位では微々たる金額であるが、それを12ヶ月、さらに20年間出てきた金額の数字に2人とも言葉を失った。

コレってどうなるんでしょうか?と聞いても、あくまでも工事業者は工事までで、契約に関しては何もできない「ここから先は相馬さん次第です」と。

たぶん返金はされないだろうというのが大方の予想。まぁ、そういう会社というか、俺にも思い当たる節があって、数年前の年末に店のブレーカーが落ちまくるという事態が起こり、民間の電気工事屋さんと年末返上で漏電チェックをしたにも解決せず、仕方なく大晦日から正月にかけて店で寝泊まりし、ブレーカーが落ちたら上げるを繰り返して生き物を守った。仕事始めにすぐに電力会社に連絡し、点検すると建物内ではなく、外の引込線異常だという事が発覚。年末から酷い目にあったと話したら、詫びるどころか「何でもっと早く呼ばなかったんだ!」と逆ギレ。その一件からずっと不信感が消える事はなかった(このような事情ゆえ、今回の件に関してもかなりネガティブな視線で書いていますので、事実とは異なる見解がある可能性をご了承ください)。

まぁ、俺も大人なのでガミガミ言わず、相手方からのアプローチを待ってみる事にした。さすがにあの金額で何も言ってこない事はないだろうと思っていたのだが

1ヶ月後、電気料金を示す明細票がポストに入れられていた。たしかに基本料は下がっている、だけども連絡は何もなし。さすがにこのまま黙っているのは悔しいので、こっちから聞いてみる事にした。ただし、お金の話はしないつもりで。

コールセンターに電話して「この騒動に関しての説明をしてほしい」とだけ伝えると、地元の担当者から折り返し電話するとの事。

15分ほどすると電話が鳴り、若い男の声で地元担当だと。そして同じように説明を求めたら「ちゃんと契約は変更されておりますので大丈夫です、それでは」と、そのまま電話を切ろうとした

  ちょっと待てやお前!

穏便で有名な私だが、さすがに今回ばかりは我慢の限界。お金が云々と言うよりも、不祥事を詫びようとしないこの腐った体質にブチ切れた。

何が大丈夫なんだよと、こっちは20年間言われた通りの金額を一度の滞納もなく払い続けてきたんだよ、それなのに会社側から何の説明もないってどういう事なんだよ!

相手側は急に無口になった。察するに「やっぱりその展開になったか」という感じだろう。すると後でかけ直すと電話を切り、1時間ほどすると上司っぽい声の男から電話が来て、後日直接話をさせてくれと。良いだろう、こうなりゃ徹底抗戦である。

後編に続く