2020/05/15

私には言える権利がある

前を通るたびに心が和んでいた古い建物が解体されていました。平屋オフィスよりも先輩である戦前頃に建てられていた、家屋の一部が洋館になっている和洋折衷な家。全体は瓦屋根でありながら、一部屋だけハイカラなガラス窓の洋館。玄関を挟んだ反対側はに縁側があるというのが定番で、見ているだけで心が温まる様式です。

外見はまだ住めそうな雰囲気でしたが、それ以上に中のダメージが酷かったのか?それとも別の理由か?ともかく、新築では絶対に再現できない「味」というものがあるわけで、壊してほしくなかったです。それぞれご事情もあるでしょうけど。

仮に跡地に大手の借り上げアパートが建ったら俺はその会社を一生軽蔑します。その家の価値も理解できないような会社が良い住まいを提供できるとは思えません。


一度そういう会社の営業担当と話をしたことがあるのですが、エネルギーを節約するために部屋の家電を外出中でもネットで遠隔操作できるようにするんだそうです。私が思うには、節約するのであれば個人が気をつければいいだけであって、遠隔操作に応じるための待機電力や設備コストの方がよっぽどムダなんじゃないかなと。

それらは会社のブランドイメージらしく、それでも空室が増えたらWi-Fi無料とかにするんだってさ。

おもわず「へぇ〜」って言っちゃいました。金さえあれば誰でもできるような仕様がブランドイメージって…。ブランドってさ、独自の試行錯誤を重ねて他では真似できないようなところに生まれるものだと思ってましたよ。


残念ながらその会社の新築アパートはどこも満室です。だからその会社の戦略は私の持論よりも正しいのだと思います。だけどもその会社の物件の前にあるゴミ箱はいつも分別されてないゴミが回収されずに溢れています。


偏見かもしれませんが、戦前の物件を直して住む人にそういう事は起きないと思います。私はアクアリウムを楽しむ人の「見るレベル」を上げたいと考えています、生き物が詰め込まれた水槽を見て喜ぶ人が少しでも少なくなってくれたらいいなと。