2015/09/28

「お別れの会」行ってきました

着慣れないスーツとネクタイ、乗りなれないホンダフィット、内容の全く読めない式典内容、出発の時点から不安要素だらけだったけど行くしかないのだ。先週に続く往復250kmの一般道走行だったが、一昨日の愛媛の事を思えば屁みたいなものだし。
午前9時過ぎに出発して運転する事3時間、会場の朱鷺メッセに到着。ここからは礼節を重んじる大人の世界が待っているはず、俺はあまりそういう経験が無いのでどうして良いのかわからないのだ、やっぱり来なきゃよかったかな…。とりあえず一般観光客を装ってさりげなく潜入する作戦で行ってみる。
正面入り口に着くと明らかにADA社員様であろう数名がお出迎えに立っていた、まぁここには展望室とか他のイベントもやってるだろうから目を合わせないようにすればバレないだろうと思ってたら…

「受付が2階にございますので」 

は、はい。どーして出席者だとバレてしまったんだろうか?しかも要所に社員様が立っていて順路を外れる事すらできない状況、まるでベルトコンベアーで運ばれる宅配荷物が如くエスカレーターで上る。
ズラリと並んだ受付テーブル、ここまで来てしまうともう私の顔もバレバレである。記帳をしようと思ったら「相馬さんはお名刺で結構ですよ」と…えっ、そうなの?会社関係ってそうなんだ。ってか名刺なんて持ってきてねぇし。あぁ~、完全に人生経験不足…情けねぇ。

波乱の受付が終わるとその先には供花が果てしなく並んでいる、とりあえず私達の供花を探すと入り口からすぐのところで発見。
ちゃんとありましたよ。もっと連名のがあると思ったけど意外に無かったなぁ、きっと個人で出してる人もいるんだろう、それなりの金額なのにすごいな。
ここから先は撮影厳禁、祭壇なんだから当然だ。ここまではなんだが現実感が無かったけど、献花台の奥に置かれた骨箱を見て一気に気分が重くなった。やっぱり本当なんだな、もうこの世にいないんだ、あんなにエネルギッシュな人間がこんな小さい箱に入ってしまうのか…。
タイミング良く献花台には誰もいなかったので遺影の正面に立ち、手を合わせ、今までの感謝の気持ちと協力してくれた方々全ての顔を思い浮かべて冥福を祈っておきました。

ミッション完了。早々に部屋を出ようと思ったら奥様(新社長)とご家族の方々の前に列ができている、いやいやまだ俺はそんな立場じゃないから別の機会に…と、コソコソしていたら「こちらにお並びください」えっ!?やっぱりそうなの?さすが大人の世界だなぁ、なんて挨拶すればいいんだろうか?ってか、過去の俺の悪行(このブログとか)がバレていたらどうしよう?そうだ、一般ユーザーに扮してスルーするという作戦でいってみよう!で、俺の順番…

「上越のセブンスです」

俺言っちゃってるし!しかも新社長「あ、あぁ~お世話になっております」って、完全にセブンスの事ノーマークだったし。さすが巨匠の奥様だ、これからもアクアデザインアマノは磐石だ!
直会の会場。ざっと見た感じ大御所は前方のテーブル席で、その他の出席者は手前で立食のようだ。たぶん隣のホテルシェフの料理なんだろう、魅力的な料理が並んでいるが雰囲気は完全アウェー、とてもじゃないが飯なんて食える空気ではない。 とりあえず会場を一周したけど、ジャーナルに載ってる人とか外国フリーク達が盛り上がっていて俺の居場所なんてどこにもない。
とりあえず隅っこでじっとしていようと思ったらなんと愛媛のマニヤ様と遭遇「まだ新潟にいたんすか!?」今思えば非常に失礼な挨拶、でもおかげで俺はこの完全アウェーの空気から開放され、一気に気分が楽になったのであります(本当に助かりました)。

今回の式典は巨匠が生前に指示していた内容らしいが、拍子抜けするぐらいあっさりとしていて重苦しい雰囲気がほとんど無かった(と、感じたのは俺だけかもしれないけど)。最後は「上を向いて歩こう」の合唱だったけど、巨匠はどうしてこの曲を選んだのだろうか?前向きな歌詞にも思えるけど、なんだか俺には最後まで経営者としての孤独感を背負い続けていたんじゃないのかなぁと思ってしまった。


午後2時すぎに式典は終了、せっかくの新潟市だけどはしゃぐ気分にもなれないな。まともに飯も食えてないけど今日は喪に服して自粛、とりあえずスーツを着替えなきゃ。広い駐車場のラーメン屋があったので車を停めさせてもらい、慣れないスーツ姿からいつものTシャツ姿に戻った。再び車を走らせたがなぜだろう?俺の心は濃厚なとんこつ醤油のスープに硬めに茹でた細麺しかも特盛(2玉)で満たされ、とても幸せな気分になっていた。これが新潟マジックというものだろうか?
最後に長距離運転に備えてトイレを済ませて置こうと、倉庫のような施設を利用させてもらった。

画像を一部加工してあります

するとどうだろう?トイレを済ませただけなのに、俺の心は舞い上がるように高揚し、明日への活力が漲っていた。すごいぞ新潟マジック!

…さすがに長岡に寄る時間はありませんでした、今夜は巨匠が枕元に立ちそうだ。