2021/01/31

59.一人の苦しみ

1人で店番をしていると避けられない絶体絶命のピンチというのに遭遇する。

その日は朝から熱があって、午後には立っているのも辛いほど熱が上がったらしく、早退させてもらおうと考えている時にお客さんがやってきた。

いろいろ相談ごとがあったらしく話が長くなってしまい、フラつきながらも「この人が帰ったら店を閉められる」と自分を励ましながらギリギリのところでお客さんは出て行った。

良かったぁ、早く入り口を閉め…というタイミングで「もう一つ聞き忘れた事がありました!」と、まさかのリバース!

その後の記憶はない。

2021/01/30

58.ファイナルカットプロ

デザインの先生が私のパソコンにファイナルカットプロを入れてくれた。いわゆる動画編集ソフトである。

まだYouTubeなんて無かった時代。今でこそ動画編集なんて当たり前だけど、当時は小規模な映画を作れるぐらいの高額ソフトだった。

自分は映画好きというよりもエンドロールの独特な雰囲気が好きで、映画館では必ず最後まで座っていたし、テレビの映画はエンドロールがカットされていて非常に残念だった。

その後、友人の結婚式で自作ムービーを流すことになり、自分の欲望を全て込めた作品を作る機会を得た。

営業中ずっとパソコンにかじりつき、一晩かけてファイル形式をコンバート。クロマキーを駆使した映像と同じぐらいエンドロールにこだわった結果、内容の半分がエンドロールという異様な作品が出来上がった。でも最高に楽しかった。

だから今さらYouTubeをやろうなんて思えない。

2021/01/29

絶好の決算日和

クレジットカードのポイントを消化しなければならず、季節外れは承知の上でカツラ(樹木)をオーダーしたのが、届いたと同時にまた雪だもんなぁ。植え付けは当分先になりそうですが、それまでは葉の付いていない「棒」を愛でることにします。

去年春に仕込んだ種も一個だけ芽が出てるんですけど、高さ3ミリで成長が止まっており、それが本当にカツラなのか、単なる雑草なのか判別不能。1ヶ月に1ミリペースだとして、判別ですら1年を要する気配。趣味の園芸恐るべし。

雪解けと同時にいろんな事を再開したり、始めたりしたいのでモーレツに決算作業を消化していますが、作業の大半が計算ではなくて会計ソフトの使い方の習得の方なんですよ。

去年も使ったんですが、去年は初めてゆえとにかく終わらせるので精一杯で、効率の良い使い方とか考える余裕が無かった。だから今回はそういう部分もクリアしておけば、来年から相当なペースアップが見込めるんじゃないかと。

もう一つ欲を言うなら、決算処理って正解がないと思うんですね。内容が複雑なだけに、どうしても型に収めきれない曖昧な部分がある。例えるなら、コンディションの良いアクアリウムを作るのがゴールだとすると、濾過機能を充実させるという方法もあれば、生体数を抑えるというのもある。どちらも正しいけど、俺は後者の経理をやってみたい。

そこに楽しさを見出すのは至難の業ですが、「棒」に癒されながら頑張ります。

2021/01/28

57.セブンス除雪機具史

スコップ1本から始まったセブンスの除雪機具。2シーズンは手作業で凌いだもののギブアップし、3シーズン目にホンダのロータリー除雪機を導入した。ただし一番小さいやつ。

予算の都合もあったのだけども、スコップに比べればエンジンが付いているだけも十分だと思っていた。

たしかに雲泥の差ぐらい楽になった。ただしそれは積雪15センチまでで、それ以上に積もるとかえって除雪機のコントロールに疲れてしまう。この小型のタイプは玄関先程度の除雪用で、6台分の駐車場をキッチリやるには力不足だったし、道路除雪の雪山には歯が立たなかった。

親父は中サイズのロータリー除雪機購入を考えていたようだが、近所の様子を見る限り小刻みにグレートを上げるよりも、いきなり最終兵器に行った方が無駄がないと導入したのがホイールローダーである。まさか重機を所有するとは夢にも思わなかったが、やはり買って大正解だった。

年間3万円程の維持費が必要だが、今まで除雪に要していた時間で3万円以上稼げるならそれで良いわけだ。

20年で金銭感覚がこんなにも変わってしまうものなのか。

2021/01/27

何故か酒がらみのが多い

豪雪の痕跡も目立たなくなってきましたが、セブンス駐車場は今も1メートルの雪に埋もれております。

さらに両側の家からも雪が投げ込まれていて、正面から見ると谷にようになっています。最上部は3メートル近くありますけど、これホントにいつになったら消えるんだろうか?

冬季休業開始から1ヶ月経ちました。私の予定は遅れ気味で、どこかで挽回しないといけないのですが、夏休みの宿題のように溜まってしまうと効率良く消化できないみたいで…。

そんな中のささやかな楽しみがインスタグラムなんですが、公開アカウントとは異なる完全なプライベートのを作って厳選した出展者だけをフォローしてます。

そうするとカッコいい画像がズラリと表示されるわけなんですが、アプリ版を使うと広告が混ざってくるんですよ。

厳選ラインナップの中での広告は超ダサく見えるので不快極まりないんですな。あの少しでも目立とうとする感じや、限界まで情報詰め込もうとするのは逆効果なんじゃないかと思うんです。

で、インスタグラムには気に入らない広告を非表示にする機能があるんですが、一つ消しても違うのが表示されるだけでイタチごっこだと。

あまりにもムカついたので、こうなりゃ最後の一個まで非表示にしてやろうじゃねぇかと。そりゃ星の数程の膨大な量ですけど、増えるスピードよりも多く消していればいつかは終わるわけですよ。巻貝と同じですな。

そう考えるとウザいだけだった広告消しがちょっと楽しくなるもんです。スライドして「sponsor」という字が見えた時点で消す。中身は見ない!

俺の投稿もそうやって消されているんだろうな。

2021/01/26

56.光熱費

寒い。熱帯魚屋なのに冬はセーターを着ていないと耐えられない寒さだった。

少しでも光熱費を抑えるために、暖房は留守中だけ使用し、営業中は使わないようにしていた。水槽の水温は営業中であれば照明器具の熱によりある程度はキープできるので、人間が我慢すれば良いだけだ。

繁盛アクアリウムショップであれば、冬場にコートを着て入店しようもんなら汗だくになってしまうのだが、セブンスでは冬の服装でも快適に買い物が楽しめた。

ストイックな話に感じるかもしれないが、昼夜逆パターンも含めて意外と普通に行われている可能性もある。それぐらい熱帯魚屋は365日光熱費と闘っている。

2021/01/25

55.違法駐車

店が住宅街にあるせいか時々駐車場に無断で車を停められることがある。

短時間であれば無視するけども、さすがに半日以上の悪質犯には声をかけることもあった。停めるときに一声かけてくれれば何時間でも構わないのに。

そんなある日、連日のように停め続ける超悪質な車が現れた。平日、週末問わず時間帯もバラバラで、営業中に見張っていても車に戻って来ない厄介な犯人だった。

あまりにもムカついたので、マフラーに「キャッツアイ参上」と書いたゴミを詰めたり、エアコン吸気口付近に犬のウンコを仕込んで対抗したら数日で来なくなり、ようやく落ち着いた。

数日後、近所に住んでいる姉の知り合いの人(3交代勤務)が来て「ウチの敷地の下水道工事の間だけ車停めさせてもらったから、ありがとうね」と。

い、いえ。どういたしまして。

2021/01/24

54.親知らず

学生の頃は虫歯とは無縁の優等生だったのが、開業後の不摂生から重度の虫歯を患うようになった。

あまりの歯痛に耐えきれず約20年ぶりに歯医者に行き、口を開いての第一声「まずは親知らずを抜きましょう」何ソレ!?と思ったが、横向きに生えた親知らずが虫歯の元凶らしい。しかも4本全て。

一ヶ月後、親知らずを抜くためにまさかの二泊三日の入院をする事になった。抜歯で入院なんて…しかも全身麻酔を施しての手術。もしかして致命的な難病というのを隠していて、家族だけが知ってる展開とか?

店の入り口には「入院のため臨時休業します」という張り紙をした。その頃は臨時休業すら滅多にない上に入院なんて、どれだけ騒ぎになるかと期待したが、全く反応は無かった…。

人生初の手術室。点滴を受けながら「じゃあ、麻酔入れますよぉ」という声と共にフッと意識が消えた。

フガッ!な、なんだ!?口にデカい何かが突っ込まれてる!「あらぁ?麻酔足りなかったかなぁ?」という声と共に再び意識が飛んだ。

次に目覚めたら病室だった。途中で見えたデカい器具と、口内に感じる激痛からして間違いなく難病手術ではなく、単なる抜歯だった。

それから一週間も眠れないほどの激痛が続いて、食事もできない状態だった。こんなのは二度とごめんなので、以来毎日30分かけて歯磨きをするようになった。

2021/01/23

今後のセブンスの予定 最新版

関東の方々には申し訳ないのですが、関東での雪の便りは北陸の春の兆しなんですよねぇ。昼の時間もだいぶ長くなってきました。と、言ってもまだ1月なんですけど。

セブンスの今後の予定をお伝えしておきます。

まず営業再開ですが、今年の雪の量からすると再開は3月中旬になると思います。再開後は週に1日ペースで営業する予定です。曜日によって皆さんのご都合も異なると思うので、平日と週末を織り交ぜてみます。

営業日はこのブログでご案内します。セブンスウェブサイトのトップページもまもなく閉鎖されますので、このブログを直接ブックマークしておいてください。

ADA販売契約は5月で終わりにします。製品の取り寄せは月一度ですので、再開後は3回しか機会がありません。忘れずにご注文ください。

6月からヤフオクを利用したチャリティオークションを開始します。上越で大規模アクアリウムを実現させる資金にするため、セブンスで使用、展示していたアイテムを販売します。自己資金も含めて目標は1000万円!足りない分は借金だ。

そして7月3日がセブンスの最終営業日です。もうこの頃にはショップとしての機能は果たしていないと思いますが、皆様をお客様としてお迎えする最後の日になります。

予定が狂うとしたらコロナです、市中に蔓延するようであれば営業ができない事もあるでしょう。ホントはこんなフェードアウトみたいな終わり方するつもりじゃなかったので、すでに大きな影響を受けているわけです。

どう考えても、このままじゃ収まらないよねぇ。

2021/01/22

53.就職希望

ほんの数名だが、セブンスで働きたいと言われたことがある。当然ながら給料を払う余裕なんてないのでお断りさせていただくのだが、それを上回る夢や情熱を持った人が来たら悩んだかもしれない。

そんな中、セブンスに就職希望というメールが来た。読んでみると、最近仕事を辞めたのでとりあえず熱帯魚屋にでも就職したいと考えている。という内容だった。

その「とりあえず」という言葉が妙に引っかかった。ストレートに聞いても良いのだが、言葉に棘を持たさぬよう「セブンスでなければいけない理由を聞きたい」と返信したら、それ以降コンタクトはこなかった。

この仕事も舐められたもんだと苛立ちながらも、実際そのように見られているという現実に肩を落とした。

2021/01/21

52.町内会費

毎日春になると団地の町内会長さんが会費の集金にやって来る。「ここって熱帯魚屋さんだったんですね」会長さんが代わる度に言われた。

会長の任期は2年、歴代の会長11人全てに言われた。セブンスの存在って…

2021/01/20

51.発泡スチロール

魚を仕入れる時は外気温の影響から生体を守るために必ず発泡スチロールの箱で送られてくるが、これが貯まってくるとかなり邪魔なのである。

請求金額には箱代も含まれており、お金を出して買った箱を、処分代を払って捨てるという二重コストをどうにかできないものか?と、考えた。

ちょうどその頃、天井の結露に悩まされていて、現状を確認するためにと屋根裏に上がったら天井裏の断熱があまりにお粗末で驚いた。ただでさえスカスカだったのに加え、電気工事の際にずらしたグラスウールがそのままになっていた。だからウールが無い部分だけ冷えて結露していたのだ。

ここで発泡スチロールの再利用と天井裏の断熱がリンクした。ある程度箱が貯まると、箱を切って板状にした発泡スチロールを丁寧に並べてる作業を繰り返し、3年がかりで天井裏全面をカバーした。

なんとこれだけで結露が消えたのに加え、冬場の光熱費が2割も下がったのである。ゴミでエネルギーを削減するというお手本のような出来事だった。


2021/01/19

やられたらやり返す?

ペントラッチャ水槽のメンテが終わり、店を出ようとしたらオーナーの高波さんがエスプレッソをご馳走してくれるって事で、犬のように尻尾を振ってバーカウンターへ駆け寄りました。

旨味と香り凝縮された濃厚なエスプレッソには、たっぷりの砂糖が入れられ、午前の目覚ましに最高の一杯。

一口飲んで「うめぇ…」こんなのが毎日飲めるなんて羨ましい…なんて思っていると、話題がお天気トークから難しそうなビジネス戦略論に変わり…「どう思いますか?」と。

えっ!?俺の考え?いやいや、次元が違い過ぎるでしょ?こんな企業に対して1人で好き勝手やってる俺のビジネス論なんて参考にもならないよ!

っていうか、話をするのが下手になってきているような気がするんだよね。接客をしなくなったせいなのか?ピアノの練習をサボるとすぐに弾けなくなるのと似た感覚。

エスプレッソのカップを持ちながらも飲むのを忘れて無い知恵絞るが、出てくるのはありきたりなことばかり…何言ってんだろ俺。

強烈なカフェインか、はたまた頭脳のオーバーヒートが原因か?のぼせたような感覚で店を出ました。

エスプレッソの代償は大きすぎた。

2021/01/18

保険未加入

順調に進めば今月中には終わるかも?なんて考えていた決算作業でしたが、始めてみれば面倒くさい問題がワンサカ出てきやがる。今までクロスアーツの領収証は作ってなかったのですが、急遽必要になりましたと。じゃあ、受け取る側が混同しないようにと、見た目の全く違う台紙を探し、それに捺す社名入りのスタンプをオーダーし、それらを説明する書類を作る。これで3日は要してしまう。

これらは私の無知に原因があるわけで、私だけ税務署から怒られるならいくらでも良いのだが、取引先に迷惑はかけたくない。しかも意図せず「税金逃れ」的な流れになっていて余計に厄介になっている始末。俺はただ会社ってのを作ってみたかっただけで、脱税には全く興味ないし、そもそも税金払うほど稼いでいない。

加えて大雪騒動で一週間もロスしてしまい、気付けば今月も後半になってやがる!だから今週こそは本腰入れて作業したい。頼むから雪降らないでくれ!

雪で思い出したが、平屋の屋根からの落雪で給湯器の煙突がグニャリと曲がり、キッチンの窓が割れ、その窓のアルミ柵も倒壊。マジで散々ですよ。

これまで何年放置されても無傷だったのに、俺が関与した途端にこの始末って…日頃の行い悪すぎなんだなって。

脱税の報いか?いや、脱税じゃねぇし!

2021/01/17

50.ADA専門店

初めのうちは店の一角だったADAコーナーが徐々に広がり始め、半分くらいの面積を占めるようになった頃「ADAだけにしよう!」と決心した。

私は中途半端なことが嫌いなようで、物事を0か100でしか選択できないらしい。それに伴い、一度ダサいと思ってしまった物は手元に置くどころか見るのも嫌になってしまう面倒な体質で、このような性格はテロリストに多いと知ってショックを受けた。

ともかく、ADA以外はダサいと判断してしまった以上は止める事はできず、当時はドル箱と言われていた黄色い缶のフレークフードや塩素中和剤も無くし、店頭在庫は全てADAになった。

同業者の間ではADA商品はいくら売っても儲からないと言われていて、先輩方からは「そんな事をして大丈夫なのか?」と心配されたぐらいだったが、実はこれが赤字経営から脱却した大きなターニングポイントになった。

ちょうどその頃ADAの直営店だった第二営業部が閉店するという事で惜しまれる声が出ていた。ならばセブンスが直営ではないものの、直営以上に店にするという目標を掲げ、挑戦を始めたのだが、それが本当に楽しかった。

まず、店内のカラーを白で統一し、直営店にはなかったロゴをプリントした大きなタペストリーや玄関マットを製作。見た目だけではなく、製品トラブルへの対応も損得度外視で修理やパーツ交換なども行った。

いつしかセブンスは「ADA専門店で大丈夫?」から「どうしたらADA専門でやっていけるの?」と聞かれる店になっていた。

2021/01/16

折り返し地点

次回のセブンス百景が50話目になり、いよいよ後半戦に突入します。ある転機と共に流れが大きく変わるわけですが、それと共に新たな感情にも悩まされてゆくことになります。

ただ、転機後の話はウェブサイトやブログで公開済な事も多いので、できるだけ誰も知らない話を選りすぐって書けたらいいなと思っています。

このペースで進むと3月には連載が終わってしまいそうですが…それで良いんじゃないですかね。その時点でコラム掲載は終わりにして、残りは再び業務的な内容だけにしましょう。

そろそろ百景のエンディングも考えておかないと。

2021/01/15

49.クィーンエンゼルフィッシュ

下積み時代からクィーンエンゼルが大好きだった。誰もが認める海水魚界の女王の風格と、表情の可愛らしさのギャップが最高だった。

セブンスの開業に合わせて目玉になる魚を泳がせておいた方が良いという助言を受けて、特大のクィーンの成魚を仕入れた。しかし、初期の不安定な水槽環境が原因でオープンから一週間も経たずにクィーンを死なせてしまった。

亡骸を土に戻しながら「コイツは何のために地球の裏側まで連れて来られたんだろうか?」と考えたその瞬間からずっと、私はこの仕事に対する理不尽に悩まされてきた。

2021/01/14

読者いるのか!?

もはや雪の話も聞きたくないと思います。地元民のSNSも雪の画像ばっかりで、だったら水着のお姉ちゃんの画像でも載せてやろうかと。だから雪の話は今日で完結にしましょう。

昨日の投稿で土建会社の文句を言いましたが、その1時間後に我が家の前の道だけ除雪されるという怪現象が発生。何でも言ってみるもんですな…というか、監視されている?

我が家は集落の一番端にあるのですが、火事の時は消防小屋まで一番長く走らないといけないんですよ。それが悔しかったのですが、今回は端にあったおかげで一番早く解放されました。集落のほとんどは今も身動きとれません。

おかげで今日からメンテ業務に復帰しております。ただし現場の駐車場も埋まっちゃてたりして、まだまだ5割も復興してない感じです。

こんな騒ぎになっても1ヶ月もすれば消えて無くなるんだよね。残るのは体の痛みと車のダメージだけ。

2021/01/13

バケツ片手に歩く男

道が埋まってから5日が経過するも、いまだに除雪作業は行われず車を出すことができません。

それはつまり給湯器の修理も行われていないということ。

しかし、お湯が出ないのは辛抱できるが、水槽を放置するのは辛抱できん!

車を使えないなら歩けばいい、進んでいればいつか必ずたどり着けるのだから。でも持っていける道具は限られる。5リットルのバケツに最低限の掃除道具を入れて、ペントラッチャまで1時間歩いた。さらに歯医者さんの水槽の応急処置をして帰宅。

明日は高田方面に歩くか?持てる道具で作業が済む現場も限られるけども、何もせず家にいるぐらいなら少しでも行動するべきだろう。

それにしても除雪作業どうなってんの?地区担当の土建会社は自分の会社の前だけキッチリ綺麗にしてあるのが腹立つんだよなぁ。そういう時って自分は後回しにしてでも交通網を復興させるのがカッコいいんじゃないの?

まさに日本の汚さを縮小したような所なんだよね、上越って。

2021/01/12

48.フリーペーパー

地元でもそこそこ知名度があるフリーペーパーの編集者がやってきた。来月号はセブンス周辺の地域特集で、これまでグルメ情報が主だった中でスパイスを効かす意味でもアクアリウムショップを是が非でも取り入れたいという事だった。

過去何度か情報誌の取材を受けたものの、編集の時点で勝手な解釈を盛り込まれて不快な経験をしてきたので初めは断ったのだけども、近所付き合いのあるお店も取材を受けるということだったので引き受けることにした。

ただし、最終原稿に至るまで私のチェックを受けさせる事を条件に進め、これまでにない出来のコンテンツが仕上がったことで調子に乗り始めた。

その地元紹介コーナーでは、店毎にプレゼント提供することになっていて、セブンスでは他のどの店よりも豪華な「1000円クーポン」を抽選で3名様にと掲げた。偽造できぬよう凝ったデザインに仕上げ、スタンプを押し、胸躍らせながら応募数の報告を待った。

そしてフリーペーパー発行から1か月、応募者は誰もいなかったそうだ。

2021/01/11

この下に高田あり


災害の様子を伝えるのも大切な役目かもしれないので、全国ニュースでは伝えきれていない様子を書いておきます。

今日現在で車が通れるのは国道と主要な県道だけ、その他の二車線道路はギリギリ1台通れる幅しかなく、対向車が来たらアウト。中央線の無い道路はほぼ埋まっていて、人しか通れない状態。

なので買い物も歩いて行くしかなく、近くにコンビニやスーパーがあればまだマシ。片道30分歩いたりして、特に高齢者世帯はそろそろ食糧がヤバいかもしれない。無理に買い出しに行って遭難しなきゃいいんだけど。しかも、そのコンビニ、スーパーだって物資が届いていないみたいで品薄状態。

仮に100メートル先に主要道路があっても、その100メートルが埋まっていて出られない。そういうパターンが多いと思うし、我が家もそれ。

そのせいか、街の半分以上の店が臨時休業。おそらく社員がたどり着けないからと思われる。

どの家の屋根にも2メートル近い雪が積もっていて、雪の重みで我が家は壁の継ぎ目に隙間ができ始め、ドアが最後まで閉まらなくなっている。天井からミシミシ聞こえたら避難しようと家事で声掛けをする。雪下ろしをすれば良いが、特に2階の屋根の雪下ろしは命がけなので実行するかどうか迷うところ。

家の前の道が通れない限りメンテの仕事にも行けない。そもそもクライアント先が営業できているのか?あまり日数を空けたくないんだけど。

そんな中、相馬家の給湯器は依然故障中。家事手洗い全て水。地獄。しかも修理業者は長岡市で、いつになったら来られるのか?そもそも部品が名古屋から来るらしく、それが届くかも不明。

連日の雪かき作業で身体が土方仕様に仕上がりつつある。



2021/01/09

3月初旬まで冬季休業です

年明け2度目の週末ですが、店の前まで来て「セブンス倒産したのか!?」なんて思っていませんでしょうか?

明日様子を見に行く予定ですが、恐ろしい光景になっていると思います(おそらく道路から建物は見えないのではないか?)。

上越のみなさんは大丈夫でしょうか?久々のドカ雪、百景で深夜まで駐車場の除雪をしていた時のことを書きましたが、まさに悪夢再来です。

昨日夜の時点で屋根の雪下ろしを覚悟してましたが、あまりの量で「自宅」「平屋」「店」どれか一つしか作業できない。最優先にしなきゃいけないのは…ってことで、今日は自宅の屋根。明日は平屋。店は(あくまでも設計上)住宅よりは丈夫なので耐えてもらいます。

まだ正月もそこそこって時期でこの雪の量、この冬はどうなっちゃうのよ?

2021/01/08

47.ミレニアム

1000年に1度の祭典、ミレニアム。一生の間に世紀を跨ぐ事ができるなんて最高にラッキーだった。

しかし、世の中はお祭り気分が盛り上がるのと反比例するように2000年問題というネガティブな不安を抱き始めていた。

何が起こるかわからない。わからないから日付けが変わる1時間前から消防団は待機する事。何で!?

2000年問題と消防団の何が関係あるのよ?仮に未知のハプニングが起きたとしよう、それでもすぐに自宅から飛び出せば良いわけで、なにも消防小屋に居る必要はないはず。完全に上層部の身勝手なパフォーマンスに付き合われているだけだった。

錆びたブリキのトタン壁が吹雪に煽られてガタガタ鳴っている消防小屋で、男達はじっと動かずに寒さに耐えていた。

11時に集合してからどれぐらい時間が過ぎたのだろう?懐中電灯付きのラジオを鳴らしてみると、すでに年が明けていた。

西暦3000を迎える消防隊員達にこんな悲劇を味合わせてはいけないと誓った。

2021/01/07

イレギュラー人生

私は今、数年に一度と言われている大寒波の真っ只中。その塾の駐車場にいる。

まだそんな事やってんのか!?と、思うだろうが、まだどころか春から始まり、これまでずっと続けている。

どんなに暑かろうが寒かろうがエンジンは点けない。そこでガソリンを消費するぐらいなら、一旦家に帰れば良いのだから。

おそらく年間で1000円分程度のガソリンを節約するために、夏は熱中症のリスクと戦い、冬は湯たんぽ持参で毛布に包まり90分間を耐え凌ぐ。

湯たんぽが無かったら90分あれば三途の川の手前まで行けるだろうな。吹雪に飲まれて命を落としたドライバーも湯たんぽあれば助かったかもしれないのに。それぐらいこの先人の知恵は効果大である。

こういう事をやっていると耐性がつくのだろうか?昨日の晩に自宅の給湯器が壊れて、外は氷点下だというのに水だけの生活になった。家族は日常の生活を取り戻そうと躍起になって風呂に入る方法を考えているようだが、別に汗かく季節でもないのだから、もっと余裕を持って、楽しんで工夫考えればいいのに。って。

唯一風呂の追い焚き機能だけ生きてるみたいで、浴槽でお湯を沸かして掛け湯すればいいじゃん。って思ったら、俺以外は全員「湯船に浸かる」って言うんだよ?そしたらお湯汚れんじゃん、毎回沸かし直すの?そこまでして日常に近づきたいもんかね?

家庭内だけの事かと思ったけど、日本中…いや、世界中がそうみたいだね。

2021/01/06

46.宿直

毎年年末になると思い出すことがある。

その年はクリスマス前から謎の停電が頻発するようになり、営業中にも関わらず突然ブレーカーが落ちるようになった。来客中でも容赦なく店が真っ暗になるので、常に懐中電灯を手元に置いておく始末。

相手が人間なら謝れば済むのだが、海水魚でフィルターが動停止を繰り返すのは受け入れ難いだけでなく、翌日出勤したら暖房が止まっていて水温が急降下なんてのも困る。

とにかく早く手打とうと、電気工事会社を紹介してもらい診断してもらった。

すると、明確な原因は分からないが店内の至る所で小規模な漏電が発生していると。たしかに海水水槽に手を入れるとビリッとする事があり、錆びた照明器具を交換しなきゃいけないなんて思っていたが、予算もないので放置していたのだ。

この機会なので徹底して直してみるかと、漏電の数値を計りながら照明器具やヒーターなどを取り替えてゆくと、数値は問題ないレベルまで下がった。

この後2日ほどは何もなかったのだが、クリスマス明けの27日に再びブレーカーが落ちた。

再び電気屋さんを呼ぶも、これ以上は手探りでやるしかないと、店の一部だけ電気を消したり、ブレーカーを変えたりしたが回復せず、とうとう30日になってしまった。それでも毎日作業に来てくれる電気屋さんに「なぜそこまでやるのか?」と、聞くと。「安心して正月を迎えてほしいから」と。

その職人魂に感銘を受けた私は逆に「ブレーカーが落ちても上げればいいだけなので、続きは年明けにしましょう」と、仕事納めを宣言した。

とは言ったものの、症状は悪化する一方で、ひどい時は1時間毎にブレーカーが落ちる。こんな真冬に一晩停電されたら致命的なダメージになるので、暖房はエアコンではなく灯油のストーブを使うことにした。ただし、火災予防のために店で寝泊まりして安全を確保する!

なんの娯楽もない上に、夜は独特な薄気味悪さを感じる熱帯魚屋で大晦日、そして新年を迎えた頃、ブレーカーが落ちる時の条件が分かってきた。それは強い風が吹くとブレーカーが落ちる、もしくは電灯がチラつく。という事。

さっそく休明けにこの事を伝えると「その原因は外です!」と。今度は電力会社の管轄なので診てもらうと、引き込みの配線がショートしていて、風で電線が揺れると安全確保のためにブレーカーが落ちていた。という事だった。

自分が原因じゃなかったという安堵感、今までの苦労が報われなかった虚無感、さぞ迷惑をかけたと電力会社は謝ってくるだろうなと思っていたら、上司っぽいオヤジが「こういう時は早く呼んでくれなきゃダメでしょ!」と、まさかの逆ギレ!?

あまりの展開に俺と電気代さんはしばらく呆然と立ち尽くした。

結局この電力会社とはこの後も大きな騒動を起こす事になったが、そもそも灯台下暗しを引き起こしたのは店中で漏電を起こさせていた俺が悪いのである。

2021/01/05

冬季休業中の過ごし方

2ヶ月間の休業中に何をするのか?セブンス百景で書かれている頃の自分なら毎日パチンコ通いだったと思いますが、残念ながら違います。

まず、これまで両親に任せていた家の用事をやる事。そういう歳になりましたので。

次に大きく占めるのが決算作業です。セブンスと決算期が同じなので作業量もあるし、必要もないのに銀行から融資をさせられて、その仕訳方法も調べないといけません。さらに法人名義で車も買ったりして、昨年比の3倍は手間がかかりそうなのです。これらをなんとか1月中に終わらせたい。

それが終わったらクロスアーツのウェブサイトを手直しです。まだまだ磨ける余地がありますし、それと同時にサポートサービスの内容を確定させ、正式に募集を始めないといけません。

まだまだあります。今年から私の肩書きは「しがない熱帯魚屋の店長」から「泣かず飛ばずのアクアリウムアーティスト」へ大幅に格落ちしたわけで、勉強や作品作りも必要です。一応2月下旬を目標に2作目公開を目指しています。

と、考えれば2ヶ月じゃ足りないぐらいというわけです。

セブンス百景はまもなく折り返し地点ですが、どういう終わり方にするのかも考えなきゃね。

2021/01/04

3月まで冬季休業中です

年末は本を読みながら平穏に過ごす予定でした。ところが、道を歩いていた知らないオッサンに「ウンコを漏らしたからケツを拭いてくれ」と言われたんです。あくまでも例え話ですが。

そのオッサンが日頃から健康に留意して、規則正しい生活を送るような人だったらいくらでも手助けしますが、誰が見ても腹を壊すようなモンを食ってウンコを漏らしたわけで、どうして俺がそんな奴のケツを拭かなきゃいけないんだ?と、ムカついていたら変なスイッチが入ってしまったようで、せっかくの大晦日だというのに楽しむ気になれずカウントダウン前にベッドに入り、元日から領収証の束を整理して、それでも平常心に戻れずβ波消えないまま穏やかに眠ることもできませんでした。

思い返せばこんな事を疑いもせず長年続けてきたんだなと。それを客観的に感じることができ る立場になって、その馬鹿らしさを目の当たりにしてまったみたいです。

自分に責任がある事ならいくらでも後始末をします。この先はそういう仕事をしていきたいですし、お人好し頼みの商売は遅からず廃れてゆくと考えます。

これがラストイヤーのスタートなんて…すんなり終わらせてはくれないか。

2021/01/03

45.会員カード

ショップをやるならスタンプカードは作りたいと思っていた。当時はどこの店もカードを作っていて財布がパンパンになるほどだったが、苦労してスタンプを貯めた割にはサービスがショボイものばかり。

ならばセブンスはスタンプではなく会員カードにしよう。しかも青、銀、金の3種類で年会費に応じて割引率が異なる最強のカード!

青は年会費500円で生体5%off、銀は1000円で10%off、銀を1年使うと金に昇格。金ならたしか用品も割引になるという最恐のカード。これぞ明朗会計、利益還元、サービスとはこういう事だろうと。

しかし何故か3年目には誰も更新しなくなった。こんなカードが今も存在していたらと思うとゾッとする。

2021/01/02

44.ハムスター

理由は忘れたけど、1回だけハムスターを飼った事がある。

初めは自宅で飼っていて、冬の寒さを乗り越えるために年中常夏の熱帯魚屋に持ってきた。

ハムスター用と称してトンネル型や箱型のオブジェが売られていたが、熱帯魚屋には半端な長さの塩ビパイプが山ほどあるわけで、自作で豪華マンションを作って楽しんでいた。

そんなある日、その日はずっと1匹しか出てこなかった。1日経っても相方が出てこないので、もしや死んだか!?と、掘り返しても影も形も消えていた。

逃げたか…原因はすぐに判明した。調子に乗って作った六本木ヒルズの屋上がゲージのフタまで達していたのだ。

普通なら店中を探せば発見できたであろう。だがしかし、俺は探す気にもなれなかった。何故なら当時はまだ現役だったからだネコ社長!

床に座り込む俺の姿を座布団に座る社長が見つめていた。

2021/01/01

43.ユニフォーム

服にはほとんど興味が無かったせいか、仕事中に着る服はあまり変化がなかった。

開業時はロゴを入れたナイロン製のジャケットに下はジーンズ。最初はスニーカーを履いていたのだけども、毎回の水仕事であっという間にダメになってしまうので、営業中だけサンダル。

ジャケットは青と白を5着ずつ作って、青は作業用、白は打合せなどの時の正装として。何枚かは記念に家族にあげた。

そのスタイルで15年以上やってきて、さすがに汚くなってきたのと、世田谷ベースの「何でもオリジナルで作っちゃう」方針に影響されてパーカーを製作。そに時に生まれたのが不朽の名作「バケずきん」である。

それからはTシャツやポロシャツも作るようになって、多少は仕事着に対する意識が変わってきた。

そして最後は身内中から批判殺到だった鮮蒼のワークコート。コレを選んだ理由は、着ていた人を見た時にその奇抜さから馬鹿にした後、ちゃんとした伝統を踏まえた上での服だった事を知り、その自分の知識の浅さと、見た目で人を判断した反省の意を含めて、自分で着ることにした。というわけ。

ワークコートも2シーズン目で落ち着いた頃、オヤジが白のナイロンジャケットを着て庭仕事をしていた。セブンスのヴィンテージマニアがこんな身近にいたとは。