2021/03/09

86.レルヒ祭

雪の多い時期は車で出勤しても駐車場に入ることができないので歩いて行く事が多かった。

毎年2月にはレルヒ祭というイベントがあり、夜7時から短時間だけ花火を上げるのが恒例となっていた。

帰宅の路、冬のキンと張り詰めた空気の中、雪の積もった水田は月明かりに照らされて一面深い蒼色の世界を作り出す。その間を抜ける道を歩いていると南西の空にこじんまりとした花火が打ち上がる。

「そうか、もうこんな時期になったのか」

あと少し、もうちょっと頑張れば春がやって来る。