2021/03/26

99.直伝

こんな自分が誰かに物事を教えるなんてのは烏滸がましい限りだったが、それでも役に立つのであればと指導役を引き受けたことが少しだけあった。

求められているのは技術的な事だというのは理解していたつもりだが、どうしてもそれよりも大切なことがあるとしか考えられず、的外れな指導しかできなかった事を今でも後悔している。

でも「水槽の向こう側には必ず人がいる」という事だけは理解して欲しかった。アクアリウムが人の命を救うこともあれば、殺すことだってある。それだけ精神面に影響を及ぼすポテンシャルを持っている事を知って欲しかったし、責任を持って行動して欲しかった。それが嫌だったら自分の趣味だけに留めておくべきで、仕事にするべきではないと。

30代序盤からそんなスタンスだったもので…そりゃハゲるわけだ。