1000年に1度の祭典、ミレニアム。一生の間に世紀を跨ぐ事ができるなんて最高にラッキーだった。
しかし、世の中はお祭り気分が盛り上がるのと反比例するように2000年問題というネガティブな不安を抱き始めていた。
何が起こるかわからない。わからないから日付けが変わる1時間前から消防団は待機する事。何で!?
2000年問題と消防団の何が関係あるのよ?仮に未知のハプニングが起きたとしよう、それでもすぐに自宅から飛び出せば良いわけで、なにも消防小屋に居る必要はないはず。完全に上層部の身勝手なパフォーマンスに付き合われているだけだった。
錆びたブリキのトタン壁が吹雪に煽られてガタガタ鳴っている消防小屋で、男達はじっと動かずに寒さに耐えていた。
11時に集合してからどれぐらい時間が過ぎたのだろう?懐中電灯付きのラジオを鳴らしてみると、すでに年が明けていた。
西暦3000を迎える消防隊員達にこんな悲劇を味合わせてはいけないと誓った。