2021/01/17

50.ADA専門店

初めのうちは店の一角だったADAコーナーが徐々に広がり始め、半分くらいの面積を占めるようになった頃「ADAだけにしよう!」と決心した。

私は中途半端なことが嫌いなようで、物事を0か100でしか選択できないらしい。それに伴い、一度ダサいと思ってしまった物は手元に置くどころか見るのも嫌になってしまう面倒な体質で、このような性格はテロリストに多いと知ってショックを受けた。

ともかく、ADA以外はダサいと判断してしまった以上は止める事はできず、当時はドル箱と言われていた黄色い缶のフレークフードや塩素中和剤も無くし、店頭在庫は全てADAになった。

同業者の間ではADA商品はいくら売っても儲からないと言われていて、先輩方からは「そんな事をして大丈夫なのか?」と心配されたぐらいだったが、実はこれが赤字経営から脱却した大きなターニングポイントになった。

ちょうどその頃ADAの直営店だった第二営業部が閉店するという事で惜しまれる声が出ていた。ならばセブンスが直営ではないものの、直営以上に店にするという目標を掲げ、挑戦を始めたのだが、それが本当に楽しかった。

まず、店内のカラーを白で統一し、直営店にはなかったロゴをプリントした大きなタペストリーや玄関マットを製作。見た目だけではなく、製品トラブルへの対応も損得度外視で修理やパーツ交換なども行った。

いつしかセブンスは「ADA専門店で大丈夫?」から「どうしたらADA専門でやっていけるの?」と聞かれる店になっていた。