2021/01/24

54.親知らず

学生の頃は虫歯とは無縁の優等生だったのが、開業後の不摂生から重度の虫歯を患うようになった。

あまりの歯痛に耐えきれず約20年ぶりに歯医者に行き、口を開いての第一声「まずは親知らずを抜きましょう」何ソレ!?と思ったが、横向きに生えた親知らずが虫歯の元凶らしい。しかも4本全て。

一ヶ月後、親知らずを抜くためにまさかの二泊三日の入院をする事になった。抜歯で入院なんて…しかも全身麻酔を施しての手術。もしかして致命的な難病というのを隠していて、家族だけが知ってる展開とか?

店の入り口には「入院のため臨時休業します」という張り紙をした。その頃は臨時休業すら滅多にない上に入院なんて、どれだけ騒ぎになるかと期待したが、全く反応は無かった…。

人生初の手術室。点滴を受けながら「じゃあ、麻酔入れますよぉ」という声と共にフッと意識が消えた。

フガッ!な、なんだ!?口にデカい何かが突っ込まれてる!「あらぁ?麻酔足りなかったかなぁ?」という声と共に再び意識が飛んだ。

次に目覚めたら病室だった。途中で見えたデカい器具と、口内に感じる激痛からして間違いなく難病手術ではなく、単なる抜歯だった。

それから一週間も眠れないほどの激痛が続いて、食事もできない状態だった。こんなのは二度とごめんなので、以来毎日30分かけて歯磨きをするようになった。