初めは自宅で飼っていて、冬の寒さを乗り越えるために年中常夏の熱帯魚屋に持ってきた。
ハムスター用と称してトンネル型や箱型のオブジェが売られていたが、熱帯魚屋には半端な長さの塩ビパイプが山ほどあるわけで、自作で豪華マンションを作って楽しんでいた。
そんなある日、その日はずっと1匹しか出てこなかった。1日経っても相方が出てこないので、もしや死んだか!?と、掘り返しても影も形も消えていた。
逃げたか…原因はすぐに判明した。調子に乗って作った六本木ヒルズの屋上がゲージのフタまで達していたのだ。
普通なら店中を探せば発見できたであろう。だがしかし、俺は探す気にもなれなかった。何故なら当時はまだ現役だったからだネコ社長!
床に座り込む俺の姿を座布団に座る社長が見つめていた。