しばらくすると一人の若者が店に入って来て、店の屋根に上がらせて欲しいと言ってきた。事情を聞けば、ふざけ合ってケータイを投げたら行方不明になり、屋根に乗った可能性があると…やれやれ。
上がるのは構わないがハシゴは自分で用意してくれと言ったら、上でゴソゴソと足音が鳴り、しばらくすると音がしなくなった。
結果は分からないが、なんとも迷惑な話だったので、すぐに忘れるようにしていた。
春になり、駐車場の端に積み上がった雪の山も小さくなった頃、歩道との境目にiPhoneが落ちていた。
上にあるかも?と考えた時点でアウトだったんだろう。教師を目指す大学生として、先生になる前に勉強以外のもっと大切な事を学んで欲しかった。