2020/10/20

1.ビニール袋

初秋特有のもの寂しさというか、肌寒く薄暗い車内で過ごしていると、セブンス時代の走馬灯というか、昔の事をふと思い出してしまう事があります。

せっかくなので、ブログが終わるまでに100個の思い出話ができたらいいなと思います。支えてくれた読者への感謝を込めて…セブンス百景、始めます。


釣り銭箱の中には小さなビニール袋が1枚入っています。

ある日、小瓶でベタを飼っているけど水のコンディションが良くないという女性のお客様が来ました。
初来店な上に小瓶で魚を飼うこと自体に焦点を当てたかったのですが、その方はアクアリウムを心の底から楽しんでいて、魚の命も大切にしていたようなので、セブンスで使っているエサのサンプルを差し上げる事にしました。

いつもならすぐにサンプルを渡すのですが、その方のアクアリウム熱からすっかり話が盛り上がってしまい、帰った後に「渡すの忘れた!」と、気付いたんです。

その時は次に渡せばいいやぐらいに考えていたのですが、一週間、一か月経っても来ません。なので、次は絶対に忘れないようにとビニール袋を釣り銭箱にあらかじめ入れておいたのです。

話の最中では、サンプルを試すのを楽しみにしていたので怒ってしまったのか?それとも魚か本人に何か良くない事でも起きたのか?そのビニール袋を見る度に記憶が蘇ります。

それから3年。後悔に縛られた毎日は小瓶に入れられた魚のようです。