2020/08/28

二人の運命が絡み合う超大作「線」映画化決定

1時間ぐらいで終わりますので。

光ケーブルの配線工事。作業前のそんな軽い挨拶から始まった物語は(毎回の事ながら)ブログのネタに最高の展開となった。

立ち合いが必要とはいえ、問題が起きなければ出番はない。冷たいお茶を飲みながら猛暑の中で行われている作業を窓越しに見ていた…が、一向に始まる様子がない。

汗まみれの作業員が冴えない顔つきで私のところにやってきて「地下配線なんですね」と。たしかに我が家は家計を無視した住宅会社によって、家の様相と似つかわしくない仕様になっている。そして、地下配線だけなら問題ないのだけども、ワイヤーを送っても何故か途中で止まってしまうらしい。

ならば家の電話機の方から送ってみようと通してみたが、床近くの穴から壁中に通したワイヤーのゴソゴソいう音が、天井裏から聞こえる。なぜだ?

点検口から天井裏を覗いてみたものの、梁や断熱材が視界を遮って何も見えない。この時点ですんなり終わる可能性は限りなくゼロになった。

地下がダメなら上から通すしかないですね。

今度は私も含め外に出て、外壁に穴を開ける場所を考えるけども、どの位置に配線を吊るしても屋根から落ちる雪でケーブルが切れる可能性があるようで…もう一度、地下を通す可能性を探ってみようということになった。

地下なんだから床下を見れば手がかりがあるかもしれない「俺、床下に行ってみますよ」、申し訳なさそうな表情の作業員が懐中電灯を手渡そうとするが「大丈夫、そういうの慣れてますし、ライト付きのヘルメットありますから」、電気関係のお仕事なんですね?いや、熱帯魚屋です。

…?

さぁ、こうなればニワカ電気工事士も含めた総力戦である。外からは突き当るところまでケーブルを入れて、床下の俺はその先端が何処にあるのかを探す。床下にはガス、水道、排水管と共に、100V、200Vの電気ケーブル、アース線。しかし、問題の電話線と電線管は何処にも見当たらない。たしかにゴソゴソいう音は聞こえるのだけども、配管が基礎か壁中にあるらしく目視で確認できないのである。

床下から上がってきたところに作業員が待っている。「ダメでしたぁ…」もはや万事休す、おそらく今日の作業は中止して改めて策を講じることになるのだと思った。

が、その2人が座っていたところは、先日私が増設したキッチンのコンセントの眼の前で「そういえば昔からココに蓋だけ付いていたんですよ、もったいないからコンセント付けちゃったんですけどね」なぁんて………………まさかっ!?

二人の目が合ったと同時に急いでコンセントを取り外す、ゴソッと外れたダブルコンセントの奥に合ったのは、外から送ったケーブルの先端だった!

 キターッ!!

汗まみれの男二人の最高の笑顔、コロナがなければハイタッチしていただろう。なんとココが地中配管の出口だったのである。通常の住宅の中でもイレギュラーな仕様らしいのだが、私がコンセントを付けたせいで余計にカムフラージュさせてしまったようだ。そして、そこから天井を通るルートになっていると判明した。

「いやぁ、光が見えましたね。光ケーブルだけに」

…。